H様邸 東京都品川区
2011年リフォーム完了(2013年8月訪問)

2年越しで実現したTimeless Livingのリフォーム

H様は、ともに大学教授をされているご夫妻と小学校に上がったばかりのお嬢様の3人家族。2010年と2011年、2回の夏休みを利用してリフォームされたお宅は、キッチンの収納棚やリビングダイニングの音響システム、ドアノブの位置にいたるまで、すべてが考え抜かれた空間。デザイン性と機能性が見事に一致しています。

──「Timeless Living」にリフォームを依頼されたきっかけをお教えください。
奥様 もともとは引っ越し先を探していたんです。今のマンションには12年前、新築のときに入居したんですが、床や壁などの仕上げに不満があったのと、主人が広いリビングが望んでいたことから、折に触れて、よさそうな物件を見に行っていました。
ご主人様 ある日、ポストに入っていたリフォーム済みマンションのチラシを見たら、不動産会社の担当者が以前から知っているKさんだったんですね。それで、近所だし行ってみようか、といって伺ったのが、Timeless Livingさんの手がけた物件だったんです。そうしたら、インテリアが素敵でびっくりしました。
奥様 漆喰の天井や壁、木枠の窓なんて、それまでマンションでは見たことがありませんでした。私は実家が漆喰や無垢の木材を使った一戸建てだったので、以前からそういうインテリアに憧れがあったのですが、マンションでは無理だと思っていたんです。また、フローリングに床暖房を入れる場合、無垢材は使えないと思い込んでいたので、使えると知ったのも嬉しい驚きでした。
ご主人様 リフォームでここまでできるのかと感動しました。でも、そのときはそれ以上話は進まず、私たちはその後もいくつか物件を見たのですが、これはと思えるものに出会えませんでした。
奥様 行き詰まっていたとき、ふと思いついて、「引っ越さなくても、キッチンとリビングダイニングの間の壁を取っちゃったらいいんじゃない?」と主人に話してみたんです。そうしたら、主人も大賛成で、早速Kさんに連絡を取って、Timeless Livingさんに会うことになりました。それが2011年の5月で、その2か月後の7月に着工となりました。
ご主人様 5年程住んでいたニューヨークではプリウォー(戦前)の建物のほうが価値が高くて、入居の際にリフォームするのは当たり前でした。ですから、中古マンションをお金をかけてリフォームするという概念に抵抗がなかったんですね。広いリビングがほしかったのも、ニューヨークで住んでいたマンションの影響です。
──2期に分けてリフォームをなさったそうですね?
奥様 私たちはリフォームの間、ほかへ引っ越すのは嫌だったので、仕事柄長い夏休み期間中にお願いできないか相談したところ、「2期に分けてやりましょう」と提案してくださったんです。その言葉を聞いて信頼できる会社だと思いました。一般的にリフォームをお願いする場合、アフターケアが不安なものですが、2回に分けて工事をするということは、最初の工事で何か不具合が生じてもアフターケアしてもらえますし、そもそも不具合は生じないという自信があっての言葉だと思ったんです。そして、その考えは間違っていませんでした。
ご主人様 3年前の夏休みにキッチンと洗面所、2年前の夏休みにリビングと玄関、廊下をリフォームしました。5週間ずつくらいで、その間は家族で山へ出かけていました。
──リフォームのポイントをお聞かせください。
奥様 漆喰の壁とチーク無垢材のフローリングにすること、壁や納戸をなくしてオープンキッチンと広いリビングを作ることが主な目的でした。幸い、キッチンはTimeless Livingさんに薦めていただいたメーカーのものが気に入り、すんなり決めることができたのですが、食器を含め、以前納戸に入れていた調理器具や掃除機、什器類の収納についてはずいぶん迷いました。どのくらいの容量にするか、どういうレイアウトにするか。収納スペースを減らせば、寛げるスペースが広くなるわけですから、動線も考えながら、幅や奥行きなどを慎重に決めていきました。最終的には、キッチン背面の壁に床から天井まで高さのある壁面収納に、フラットなデザインのチークの扉にしました。
ご主人様 チークの扉は、薄いものだと質量感のあるステンレスのキッチンに負けてしまうので厚いものがいいとアドバイスいただきました。金額は上がったのですが、できてみたら確かに厚いチーク材にしてよかったと思いましたね。
奥様 リビングダイニングに「LINN」のネットワークオーディオを導入したのも、大きいですね。主人がすっかり夢中です。
ご主人様 私はBGMを流しながらダイニングテーブルで仕事をすることが多いので、上質なオーディオがほしいと思っていたところ、Timeless Livingさんのオープンルームで「LINN」を体感し、とても良かったので今回導入することにしました。ネットワークオーディオはデジタルの新しいオーディオシステムなのですが、スタジオマスターレベルの高解像度な音源で聴けるのが特徴です。CDの音とは全然違い、クリアに耳に入ります。天井に埋め込んだスピーカーは高性能なものではありませんが、仕事をしながら聴くにはちょうどいい感じです。
奥様 玄関も大きなポイントでした。こちらもオープンルームのデザインが気にいっていたので、同じようにライムストーンの壁と玄関正面の飾り棚をお願いしたんです。引き出し付きの飾り棚は、長さや高さが違う原寸大の模型を現地の壁にセットして、1つ1つ見ながらTimeless Livingさんと一緒になって決めました。
ご主人様 玄関の床には大理石を希望したのですが、その張り方の提案には驚きましたね。大理石の板を10cm角に切断して大理石のタイルを作り、張るときに隣り合う石にわずかな段差をつけ、上からの光で石の床に陰影をつけるという案だったんです。ライムストーンの壁、無垢のチークのフローリング、大きなガラスのドア、夫婦でコレクションしているアンティークのカーペットなど、存在感の強いアイテムが多い空間に、単調な大理石の床では負けるとの理由からでした。
奥様 石の段差を決める際には、どれを高くすると効果的か、模型にライトを当てて一緒に研究したんです。完成して、チークの床の中に浮かぶ石たちを見たときには、その甲斐があったと満足しました。廊下のガラスドアの引き手はデザイン的な観点から低めの位置を提案していただき、これも実際の場所でシミュレーションしたのを見て「確かに格好いい」と納得しました。いろいろな場面で実物大模型などを使って説明していただけたのは、本当によかったです。図面ではわからない部分を「体感すること」の大切さを痛感しました。あとは、細かなところですが、洗面台は拡大鏡や、洗濯ばさみやハンガーを収納する専用の引き出しもある、まさにかゆいところへ手の届く仕様になっています。Timeless Livingさんには、本当に細かいことまで、とことんお付き合いいただいて感謝しています。
──リフォームが完了してから約2年、実際に暮らしてみていかがですか?
ご主人様 フローリングにツヤが出てきて、いい感じになってきました。掃除はポータブルの掃除機ですむので、カーペットのときよりも楽になりましたね。
奥様 リビングダイニングにつながっているオープンキッチンは、主人や子どもと一体感が持てて、とてもいいですね。テレビを見ているときは、食器洗い機や換気扇の音がちょっと気になるといわれることもありますが。
ご主人様 そのくらいはやむをえないでしょうね。換気そのものも心配していましたが、そちらは問題ないようですし。私自身は、以前は自分の部屋で仕事をすることもあったのが、今では広くなったリビングダイニング以外ではしなくなりました。娘が宿題をやっている隣で、交響曲やジャズを聴きながら仕事をしています。
「職場では怖い先生ですよ」とおっしゃりながら、お嬢様にはとても優しそうなご主人様と、ニコニコと気さくで、インテリアが大好きな奥様。おふたりのリフォームは、ご実家やニューヨーク生活での体験が素敵に生かされたものでした。この先もお嬢様の成長などに合わせて、楽しみながら、お住まいを変えていかれることでしょう。